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ムチウチって何? ~保険調査・医療調査~

公開日:2020.04.21 最終更新日:2020.04.21

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

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今日はい保険調査でもよく目にするワード

『ムチウチ』

についてお話を。交通事故に遭った人が

「追突されてムチウチになった。」

話されているのを聞かれたことはないで

しょうか?

このムチウチについて具体的にどのような症状で、

どのように対処したらいいのかということについては、

実際に経験した人でも理解されていない場合が多い

のではないでしょうか?

不幸にしてムチウチを患った人をたくさん見てきた

私の話を聞いて下さい。

 

 

世間でムチウチと呼ばれる病態は、医学的には

頚部捻挫(頚椎捻挫とされる医師は多いですが、

頚椎というものは骨のことであり、単なる骨である

頚椎自体が捻挫することはあり得ません。頚部捻挫

というのが正しい病名でしょう。)

或いは、外傷性頚部症候群と呼ばれるもので、

交通事故に関わらず外力を受けて躯幹と頭部が

不自然に動いたため、その間にある首(頚部)周辺に

ダメージを受けたものです。

 

受けた外力の強さに関わらず、ムチウチになると様々な

症状を呈します。酷いものでは神経が切断されること

もありますが、ここまで来ればムチウチという表現で

済まされるものではありませんので、除外して説明

します。

 

 

一般的にムチウチで酷い症状というのは手に痺れを

認めたり、握力が低下したものを指します

これを神経症状があるムチウチと言い、このような症状

(不全麻痺と表現します)を認めた場合には必ず専門

ある整形外科の医師受診するべきです。

このような症状があるのに整形外科(場合によっては

脳神経外科)を受診せず、整骨院でマッサージだけを

受けている人は論外として、リハビリができるからと

言って専門外の内科や一般外科だけで診察・治療を

受けている人は、後で後遺障害という大きなしっぺ

返しが来るのを覚悟しておいてください。

 

 

軽症のムチウチについてです。

神経症状を認めず、首や肩が怠いとか痛いという

症状を呈するものです。このムチウチに対する治療の

基本は、受傷直後から局所(この場合、頚部)

安静にすることです。軽症の場合は、局所安静さえ

守っていれば、殆ど一週間以内に症状が消失して

いくものです。仮に充分な安静が出来ずに症状が

長引いたとしても、3か月を越えて

症状が続くということはまずありません。

 

裁判所でも、神経症状が認められない頚部捻挫

(ムチウチ)は受傷後3か月までで治癒するもの

いう判例が出されており、それ以上の治療を否認

されています。

蛇足ですが、自動車保険を扱っている多くの保険会社

は、最近では、このような神経症状を認めないムチウ

チについて、自動車保険で治療費を支払うのを受傷後

3か月で打切っているようです。

 

 

もう一つ、大事なことがあります。

ムチウチの治療をするために頻回に医療機関へ行き、

リハビリを受けている人を見かけますが、頻回に

リハビリをすることで症状がより軽減するというのは

妄想です。

少し専門的な話になりますが、人間には症状

(軽症ムチウチの多くは痛みや怠さ)を感じ始める

強さ(レベル)というのがあります。

この症状を感じ始めるレベル閾値(いきち)と

呼び、閾値以下の症状を人間は感じません。

 

神経症状のないムチウチに対する慢性期の治療は

症状の軽減だけでなく、この閾値を上げて痛みを感じ

させなくするのが有効なのですが、医療機関で行なう

リハビリや整骨院での施術は、症状軽減させたと

しても閾値も下げしまいます。つまり、症状が軽く

なっても症状を感じ始める閾値も下がっているため

自覚症状が消えないということになります。

理解されたと思いますが、神経症状のないムチウチ

症状を早く治したいと思われるなら、症状が軽減して

きたことを自覚した時点、或いは、リハビリや施術を

受ければ調子が良くなるが、翌日(極端な場合は

リハビリ等からの帰り道)には元の木阿弥(もくあみ)

になるというのであれば、閾値の低下によるものと

考えて通院間隔を開けるか通院をやめる時期

思われます。

 

 

ムチウチの原因が交通事故で、貴方が加害者であった

場合、症状が事故前の状態になっているにも関わらず、

閾値の低下によって長引いているというような場合に

補償をべきではありませんから、たとえ自分が

加害者であったとしても、被害者のわれるままに

治療費を支払い続けている保険会社があれば、

クレームを言うべきでしょう。

 

 

 

中には患者が症状を訴えている限り治療を続ける。」

という医師が居られますが、私の経験では、リハビリを

打切ることによって症状が改善したという例が殆どで

このことに気付いていない医師はおられないと

思います。

 

治療は医師の専決事項で、その期間は医師の医学的

判断に基づいて決められるものですが、医師の経済

理由によって決められている場合があることも

事実です

 

神経症状がないムチウチを治療するあたって重要

こと受傷直後の安静期間と治療を打切る時期です。

神経症状がないムチウチの患者に対して治療が続け

られていると思われた場合は、加害者が直接依頼し

なくても保険会社に依頼して医療調査をしてもらう

ことが必要と考えます。

 

神経症状ないムチウチ」を

自覚症状だけのムチウチと言い換えて頂くと、

心当たりの方はたくさんおられると思います。

 

 

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